裏表王子様!?
裏の顔!?
教室の前まで来ると、中から泣きながら走り去って行く女の子がいた。
【あの娘どうしたのかな?】と少しだけ心配しながらも教室に入ろうとすると、中から笑っている声が聞こえたため気になって隠れて聞いてみると…
正樹「アハハッ、しつこいから本音言ってやったら泣きやがって、迷惑な女だな…」
あの王子の正樹だった。
【朝はあんな優しかったのに…裏表があったんだ。でもさっき笑ってたけど、なんか悲しそうな感じしたな…】と思った。
優希は自分の事になると駄目だが、人のことはなると少しだけ鋭いのだ。
正樹「そこに隠れている奴は誰?」
正樹が発言した言葉に優希は【やばい…】思い、直ぐさま教室の中に入った。
優希「ごめんなさいっ、あの私体育館履き忘れて取りに来たらこんな感じになっていて…だから別に悲しそうな笑い声が気になったから隠れて聞いてた何て事ないですよっ…………あ。」
焦って話をしていたらつい本音を言ってしまった馬鹿な優希。
それを聞いた正樹は一瞬びっくりしたが直ぐにニヤリッと笑った。
正樹「盗み聞きなんて感心しないな〜」
腕を組みながら見下ろすように優希を見ながら言った。
優希「うぅっ、本当ごめんなさい」
目をうるうるさせながら頭を下げて、どうにか許してもらおうと必死に謝った。
正樹「じゃぁさ……このは他言無用にしろ。」
正樹の言葉に優希は『そんなんでいいんですか?』と嬉しそうに言った。
正樹「何?奴隷にでもなりたかった?(笑)」
ニッコリと微笑む正樹だが、優希はそれを見て顔色を悪くした。
優希「違いますっ、そんな奴隷になりたいなんてこれっぽっちも思ってません!!」
首を左右に必死に振って完全否定している優希に正樹は少しだけムッとした。
正樹「お前、名前は?」
怒りを隠すように微笑みながら聞くと『姫野 優希です。』と何のためらいもなく名乗った…