宣誓!わたくし細井真琴は7月7日までに20kg減量し憧れの朝倉先輩をGETすることをここに誓います!
大きいロウソク一本、
小さいロウソク七本。
バースディケーキの炎が揺らぎ、歌が終わると、わたしはロウソクの火を吹き消した。
「マコネエおめでとう!」
チビたちが拍手する。
母に手渡された重いプレゼントは、ソッコーで脇に置き(成績が下がったので参考書だ)、おチビちゃんたちがくれたのは、わたしの似顔絵だった。
「ありがとう‼」
半分、妖怪のようだが、もう胸がいっぱいだ。
母がケーキを切り分ける間から、目をキラキラと輝かせる子供たち。
席を立ち、用意してあったプレゼントの包みを2つ、彼らに手渡す。お返しだ。
「これじゃ、誰の誕生日か分からないわね。はい、真琴」
一番、大きなケーキ。
早速、生クリームと酸味のきいた苺を食す。
"ん~、シ・ア・ワ・セ!"
だが子供たちは、せっかくのケーキも一口舐めただけで放ったらかし、プレゼントに歓喜の声を上げている。
当然のことながら、余るケーキ。
自分の腹と相談する。
腹は"商談は成立せず"と言ったが、一口だけ齧られて崩れているケーキが哀れに思えてきた。