宣誓!わたくし細井真琴は7月7日までに20kg減量し憧れの朝倉先輩をGETすることをここに誓います!
「え…」
再びざわつく教室内。
「福島はみんなの人望があつかったから寂しいだろうが、みんなも知ってのとおり、夢に向かって挑戦する。だから、快く送り出そう」
教師の言葉に、湧き上がる温かな拍手(約一名は除く)。
挨拶を促された友加里が、ようやく顔を上げ、
"寂しい"だの"頑張る"だの言ったようだが、わたしの耳には全く入らない。
2人の視線がぶつかったのは、というより、ようやく友加里がこっちを見たのは、席に戻ってしばらくしてからだった。
「真琴、ごめん」
横の席から声がかかるが、まだわたしは立ち上がったまま。
「細井、席につきなさい」
「うそよ…」
どこか遠くから、自分の声が聞こえるようだ。
「真琴、あたし、何度も…」
「ひどい!」
「細井!静かにしなさい‼」
「ひどいよ友加里!わたし嫌だからね、そんなの、絶対に嫌だから!」
それだけ言うと、わたしは教室から飛び出した。