宣誓!わたくし細井真琴は7月7日までに20kg減量し憧れの朝倉先輩をGETすることをここに誓います!


少し先には、破れたチラシが落ちていた。


その少し先には、風に吹かれたチラシ。


溝にはまったチラシ、


車のタイヤに轢かれたチラシ、


一生懸命に作った勧誘の思いが、破かれ、踏みにじられ、学校の角の自販機のゴミ箱に、捨てられていた。


50枚は下らないだろう。


ジュースが染みて、インクがにじんだチラシ。


一枚一枚、自分の手に集めた。


このまま捨てたままにしておくのが、惨じめで可哀想な気がしたからだ。


涙が零れるより先に、"諦め"が手から零れる。


甘かったんだ、


しょせんダイエット部なんて。


撫で肩になるほど、力を落としてゴミ箱に手をついていると、


「真琴、はい」


脇から声がし、チラシが一枚差し出され、


「…悠太?」


今ひとつ言葉に自信がないのは…。












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