宣誓!わたくし細井真琴は7月7日までに20kg減量し憧れの朝倉先輩をGETすることをここに誓います!
「練習いいの?」
パソコンの画面に向かう、真剣な悠太の横顔に尋ねる。
「バレたら殺されるかな、鬼監督だし。はい、出来たっと」
「も、もう出来たの?」
画面に移る、わが校のホームページ。
ここに大々的に[ダイエット部]が宣伝されており、太った女子をクリックすると痩せるという、まさにイリュージョン‼
「す、凄い!凄いじゃん‼」
「でも、地道なチラシ配りも大事。インターネットより人から人のが確かだし」
パソコン得意の、肌が焼けた野球部員。
「はい、じゃ次」と悠太に、校庭に連れ出され、されるがままグローブをつけられ、抵抗する間もなく始まるキャッチボール。
「思いっきり投げて!」
豆粒ほど小さい悠太に向かって、ボールを投げる。
大きな大きな軌道を描いて、グローブにスパンっ‼
「レギュラーなれるよ‼」
ゆっくり戻ってくるボールが、手の中に戻り、また思いっきり投げる。
それを繰り返しているうちに、さっきまでのモヤモヤが晴れていく。
「ありがとね」
そう口にして、
わたしはボールを放ったのだった。