宣誓!わたくし細井真琴は7月7日までに20kg減量し憧れの朝倉先輩をGETすることをここに誓います!


「でも、細井さんも役者よね」


耳元で言う夏美は、ほくそ笑んでいる。


それは同じ秘密を共有している[共犯者]の、悪い笑み。


「なにが?」


「あのアクビよ。とても演技には見えなかったわ。なんならエキストラかなにか紹介しましょうか?」


「ん~、言ってる意味が分からないんだけど?」


「え?まさか、あれ本気?あのアクビ」


「だってサッカー観てて寝てなかったのよ。我慢できなくて」


今思い出しても恥ずかしかったが、ようやく夏美の言葉が頭に入り込んできた。


「演技って…あなた、まさかあのクシャミ演技?」


「なかなかやるでしょ?」


なぜか得意気だ。


(やっぱりそうだ)


夏美の整った横顔を見ながら、一人、頷く。


わたしと正樹がキスするのがイヤだったんだ。だから邪魔をした。イコール、正樹のことが好きに違いない。


我ながら鋭い推理に酔いしれていたのだが、次の瞬間、酔いが吹っ飛んだ。



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