宣誓!わたくし細井真琴は7月7日までに20kg減量し憧れの朝倉先輩をGETすることをここに誓います!
「はいマーク。ボクから」
長身の小林君が手渡したもの。包みを見ただけで、わたしには分かった。それは、自分もプレゼントされたことがあるからだ。
「実…感激です!」
道着を羽織ったマークが[突き]をしてみせると、周囲から拍手が起きる。
「それを着て、アメリカでもテコンドー広めてよ」
「実も先生になるよう頑張ります!」
マークが突く。
「男と男の約束」
実が突く。
2人の拳が触れ、
やがて離れた。
そして最後に。
「どうしました?真琴」
マークが心配そうに声を掛けるのも、もっともだろう。それだけわたしが、さっきからキョロキョロと忙しなく辺りを見回しているからだ。
思わず唇を噛む。
ここに来ていないのは、ドラマの撮影が入った夏美と、
「あの馬鹿‼」
くらいのものだ。
当たり前だが、わたしも実も、無理をいってバイトを休んだ。なんならクビになったって構わない!それほど、今日という日は大切なのだ。
たとえそれが、
別れだったとしても。