宣誓!わたくし細井真琴は7月7日までに20kg減量し憧れの朝倉先輩をGETすることをここに誓います!
29日(火)
フッフッ、ハッハッ。
フッフッ、ハッハッ。
「基本は二回吸って、二回吐く、です。でも無理しないで自分の楽な呼吸で!」
腕を勢いよく振り、
早足で校庭を歩く。
「ただし、呼吸だけは意識して!吐いて吸うことで、脂肪が燃えるから‼」
声を張り上げるのは、そうしないと最後尾でついてくる、太志にまで聞こえないからだ。
陸上部が怪訝な顔で指差して笑っているが、
「なにも気にしない!大変な思いして何周も何周も走る必要ないし、試合で勝たないといけないプレッシャーもないの!ただ歩くだけだから‼」
風を切って先頭をゆく。
「なにか質問があれば聞いて!」
「じゃ、はい!」
列の真ん中で手を挙げるのは、
「あ、野崎先生、どうぞ」
「これくらいの速さでもいいの?」
「隣の人と軽い会話ができるペースでいいんです!これより速いと、長くは歩けませんから!じゃ、他に誰か?」
「はい!」
「野崎先生」
「やっぱり毎日歩かないとダメなの?」
「まず、気負うのはやめましょう!歩くことを習慣づけて下さい!朝起きたら顔を洗う、寝る前に歯を磨く、その中に、一時間歩く、を入れて下さい!歩くことは足腰にも健康にもいいし、なによりえらくないので。学校の行き来に歩くのが一番、無理がないです!他に誰か?」
「はいはい!」
「………野崎先生」