宣誓!わたくし細井真琴は7月7日までに20kg減量し憧れの朝倉先輩をGETすることをここに誓います!
顔を上げると、
「真琴!こっち‼」
遠くで手を、グローブをした手を振る悠太に、思いっきり野球のボールを投げる。
ボールは一直線に、ほぼ校庭の真反対にいる、悠太のグローブへ。悠太が全く動く必要がないコントロールと、肩の強さに、野球部から歓声が上がった。
「やだ、恥ずかしい」
慌てて列に戻り、体育館の前を通った時、
「部長はん!今晩、居酒屋でも行きまへんか?」
バスケットボールをついた正樹からのお誘いが。
「11時までならいいけど」
サラリと答える。
最後にサッカーゴールの裏を通り過ぎた時、ちょうど朝倉先輩のフリーキックが華麗にゴールネットを揺らしたところだった。
思わず手を叩くと、それに気づいた先輩が、
「11時だぜ!」
そう叫んだ。
「分かってます!」
手を上げて了解する。
すると、いつの間にやら後ろに来ていた太志が、
「部長、デートですか?」
「ならいいんだけど。サッカーの試合よ、ワールドカップ。はい、ウォーキング終了です!お疲れ様でした!」
「お疲れ様~!」
方々でねぎらいの言葉が交わされ、こうして汗をかくのはいいものだと、改めて思った。