宣誓!わたくし細井真琴は7月7日までに20kg減量し憧れの朝倉先輩をGETすることをここに誓います!
「美鈴さん」
「素敵な結婚式だった。一生、忘れないから。ほら、お礼を言いなさいよ」
そう前に突き飛ばされた一馬。
「ま、サンキュウな」
照れ臭そうに言った。
一馬の「サンキュウ」は心からの「ありがとう」だ。
「それでね、2人で話し合ったんだけど、赤ちゃんの名前、あなたの名前を貰ってもいい?
「え、でも、わたしなんか…」
「あなたの名前だから欲しいの。きっと、あなたみたいな明るくて真っ直ぐな子に育つから。私は、琴って響きが好きなんだけど、この人は真琴の真がいいんだって。だから、真琴になるかもしれないわ」
クスっと笑い、女の子に戻る美鈴。
「ねぇ、ブーケトスしないの?」
夏美の提案に、目の色を輝かせた女子たちが集まる。
俺が取ったんねん!と口走った正樹も、一斉に睨まれれば、首をすぼめておとなしくしているしかない。
「じゃ、いくわよ」
教壇に上がった花嫁は、
背中を向けて軽やかにブーケを放った。
(え、こっちくる?)
わたしだって欲しいが、貪欲さを全面に出すのも恥ずかしく、輪の隅っこに立っていた。
恐らく、美鈴が狙ったのではないだろうか。背伸びすることもなく、この腕の中に、ブーケが届く…。
「キャッ‼」
思い切り突き飛ばされた床に突っ伏したあと、強欲むき出しの女子に文句を言おうと…。
「野崎先生…」
ブーケを抱きしめた野崎。
「先生、もう神頼みなの‼」