宣誓!わたくし細井真琴は7月7日までに20kg減量し憧れの朝倉先輩をGETすることをここに誓います!
いつものテコンドー。
だが、今日は違った。
「今日は師範代が遠征で、代わりの先生みたいだね」
帯を締めながら実が教えてくれた。
そうみたいね、と返事をしながらも、わたしは先生を横目でチラチラと見る。
「はい柔軟から始めましょう!まずは屈伸から!」
年は三十代半ばだろうか。
深くアキレス腱を伸ばす姿も様になっており、一つ一つの動きにも、ムダと迷いがない。少しメッシュを入れたボブカットの先生は、とても綺麗だった。
「蹴りの練習から!」
ようやくバランスを保てるようになったのは、自主練の賜物だろう。周りでは、フラフラしている生徒が多い。
「こう、顔は前を向いたほうが、やりやすいかも」
隣の初心者にアドバイスする、ほぼ初心者。
「次はかかと落としよ!ちゃんと腰を入れて!」
顔に脚がつくほど高く上げ、雷鳴のごとく振り下ろす。モーゼの十戒のように、そこだけ空が裂けるようだ。
だが、かかと落としには隠れた自信を持っている。
「ハッ!」
気合を入れて振り下ろす。
「あ、床につくまでに止めて、その時に腰を入れたほうがいいですよ」
またもや調子づいて教えていると、
「ちょっとあなた!」