宣誓!わたくし細井真琴は7月7日までに20kg減量し憧れの朝倉先輩をGETすることをここに誓います!
そこに審判が待ち受けていた。
もの言わぬ運命の踏台[体重計]だ。
誰も居ない保健室、窓からは赤い夕陽が差し込み、中を明るく照らす。
「でもマジでお前、よく頑張ったな」
それだけでカッと胸が暑くなる。
(やっぱりわたしは好きなんだ)
それを肌で感じた。
顔じゃない(いや、顔もタイプだけど)、言葉でもない、心が感じる震え。理由も言い訳もいらない、真っ直ぐな気持ち。
「頑張りましたよ」
あなたが好きだから。
「けど約束だからな」
「…はい、分かってます。60kgですよね」
ゆっくりと上履きを脱ぐ。
あとは、あそこに乗るだけ。
乗れば結果が出る。
頑張った答えが、数字となって判明するのだ。
フ~と息を吐き、
「じゃ、いきます」
わたしは右足を上げ、
体重計に体を乗り上げた…。