宣誓!わたくし細井真琴は7月7日までに20kg減量し憧れの朝倉先輩をGETすることをここに誓います!


「ちょっと休憩」


うら若き乙女の声。
振り返ると般若顔。


「なによ、いいとこなのに。ろくでもない要件なら、海に沈めるわよ」


半ば本気で脅され、
助言が喉につかえる。


「そんな芝居したって、すんごい勢いでタコ焼き食べたの見られてるのよ。わたしが話したイメージとも違うし」


「どうすりゃいいのよ。でも、意外と遠距離もいいかもね。優しそうだけど、向こうの男と違って、芯がしっかりしてる」


「なら、素でいきなさいよ。小林君、強い女性が好きよ」


「強い女性…」


ミットを構える実の前に戻ると、友加里は目を閉じてゆっくり息を吸い込む。吸って吸って、まだ吸って、目を開いたと同時に、


「ハァッ‼」


気合を吐き出し、ミットに渾身の蹴りを打ち込んだ。


バキッ‼となにかが破裂する音がし、あの長身の実が吹っ飛ぶ。


「やだわたしったらー‼」


駆け寄る友加里、
振り返る般若顔。


「だ、大丈夫。それより凄いよ!女子でこれだけの蹴りができるって、友加里さん、明日、試合に出ない?いや、出ようよ‼」


ガッチリと友加里の手を握り、2人は見つめ合う。


「あの~、わたし帰っていいですか?」


遠慮気味に声を掛けると、振り返る、天使の微笑み。ウインクまでしている。


「そういえば細井さん、デートだもんね」


「え?グローブ持って?」



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