朝日と夕日のラプソディ
「みんなには内緒でございまする。あたしとあなたの秘め事でございまする」

一気に犯す気が失せてしまった。もうお花の匂いもザーメンの臭いもどうだっていい。未知の存在には興味がない。僕はいつだって予定調和に生き、予定調和に死す男でいたい。未知の存在は何かしら歯車を狂わす忌むべき存在。だから僕は清水ミチコが嫌いだ。何がユーミンだ。お前のような他人の存在でメシ食えてるようなやつはものまね税を本家にギャランティの5割差し出すべきなんだ。のうのうと生きてんじゃねえ、清水ミチコ。

「出てけよ。清水ミチコ」

「いや、それは島根県」

島根県と言ったときのアサちゃんの顔を見てうっかり確信。アサちゃんは僕と心中する気なのだと。僕がうっかり清水ミチコと言ったのにツッコまなかったアサちゃんは相当な意気込みで僕の家に来たんだ。それはもう一世一代、滅多にないチャンス、あしのけ、と言わんばかりに。そんなアサちゃんの気も知らず、やれ犯すだの新人類だの清水ミチコだの、もう恥さらしもいいとこだよ。こんなんじゃあ。
< 3 / 37 >

この作品をシェア

pagetop