未タイトル
「どういうつもりだ?」
小太りの男は女に向かって聞いた。
「あなたたちと交渉をしたいの」
冷静に言う女。
「交渉だと?」
アニキと呼ばれた男はそれに返す。その女をよくみるとスタイルはかなり良い方だ。顔も悪くない、いやむしろ美人。警察のようには見えないが頭にはインカムを付けてるのが疑問に思ったくらいだった。
「えぇ、あなたたちが安全に逃げたかったら協力するわ、タダでって訳にはいかないけど」
「安全に逃げる?」
「この交渉に応じない場合はあなたたちは100%捕まるわ」
「俺達が捕まるだと?」
「さあ、どうするの?捕まるの?逃げるの?」
「アニキ!逃げましょう!」
小太りの男が口を挟む。
「あたりめーだ、俺らが逃げる為にはいくらなんだ?」
女は答えた。
「あなたたちが盗んだお金の60%」
「ふざけんな!」
「本気ですがなにか?」
「なんで俺らが必死こいて盗んだ金の半分以上をお前に渡さなきゃならねーんだ?!」
「じゃあ交渉決裂ね?」
「おい、これ大事に持っとけ」
アニキと呼ばれた男は小太りの男に自分が持ってた袋を渡す。そして腰にさげてた刀を鞘から抜き正眼に構えた。
「アマァ、消すぞ?」
「随分物騒ね、まぁいいわ。相手してあげるわ」
女は膝丈くらいまであったスカートの裾を少しめくって両足の外側に納めてたサバイバルナイフを抜き、両手に構えた。