泣かないで!
どうしていいか分からず
辺りを見渡す。
そして立ち上がり、パソコンの横に置いてあった
ガンダムのプラモデルを取り、一樹に見せた。
「ほら、ザクだぞ。
格好いいだろ。特にここのラインが―」
「あんにゃーっ」
あやすように一樹の目の前で動かせば
パチンと叩かれ、腕が取れるザク。
「あぁぁぁぁっ!」
今度は優が雄叫びをあげた。
「限定ザクが、おいお前、これはな」
「あんにゃーあんにゃー」
優の抗議に、さらなる抗議で返す一樹
優の瞳が潤む。
「ザクが…、つーか、何言ってるかわかんないし」
「まんま、まんまぁ」
優が腕の取れたザクを悲しげに見つめていれば、一樹が指をしゃぶりだした。
「まんまってなんだよ。訳わかんね…」
一樹は立ち上がり
ザクの腕を拾うとパソコンの横に起き、
iPodを取り出した。
ヘッドフォンをし
大音量で音楽を流して
ベッドに入る。
どうすればいいかわかんない
なら、
ほっとくしかないだろ
「勝手に泣いてろよ」
そう呟き、
一樹に背を向けた。