透明な願い
“何言ってんの”って、亜樹は笑うかな?
…笑うだろうな。
あたし自信、ちょっと思うんだもん。
だけど、あたしはそう感じる理由さえ知っていたから。
「もう課題終わり?」
「んー、もう少しかな?」
櫂智の質問に亜樹があたしの課題を手に、“う〜ん”と唸る。
「あっ、後は自分で出来るから亜樹と櫂智は先に帰っていいよ」
唸る亜樹に、右の手のひらを左右にブンブン振って言う。
そんなあたしを見て、櫂智がニコッと笑って言った。