透明な願い
駄目だってわかってても、心配してくれてくれる圭吾に
同じように苦しんでくれる圭吾に
頼りたくなってしまうから。
圭吾と別れ、1人学校への道を歩く。
忘れてたいからと、圭吾の存在を利用しているあたしなんかに
どうして圭吾は優しいんだろう。
いつだって考えてしまう。
あんまりにも優しいから、たまに自惚れだってしまう。
“あたしの事、好きなの?”
そんな訳ないのに。
ううん、例えあったとしてもきっと無理だ。
櫂智を忘れるなんて。
だってそんなに軽い気持ちだったら、きっとこんなに苦しい思いなんてしなかった。