透明な願い
“ごめんごめん”と、軽く謝りながら亜樹があたしの頭をポンポンと優しく撫でた。
瞬間だったー…。
亜樹の“あっ”という言葉より先に、あたしの頬に冷たいものが触れた。
「ひゃっ!」
驚きのあまり、変な声が出た。
イタズラの犯人は、あたしのその反応を見て声をあげて笑った。
「あははっ、リオーたら反応良すぎ」
「櫂智ー!」
「梨音が見えたから、嬉しくてイタズラしたくなっちゃったんだもん♪」
可愛げある言い方をする櫂智に、あたしは頬をグニッとツネって言った。
「全然、可愛くないっての」