透明な願い
「あーぁ、何やってんだろ」
扉に掛けた手の動きをピタッと止めると、間抜けな自分にため息をつく。
まぁ、図書室の本だからレンタルの期限なんてないけど。
頭の中がごちゃごちゃな今は、大好きな本でも読んで忘れたかったのに…。
何だかツイてないな。
朝、星座占い1位でめっちゃ運良かったのに。
“思いがけない嬉しい出来事があるかも”
ないじゃん、そんなの。
名残惜しそうに、扉から手を離した時だった。