透明な願い


それから2人は離婚しあたしはお母さんと暮らし始めた。



そして、あっという間に高校生になった。



それでも日課のようになっていた本を手放す事は出来なかった。



放課後は、いつも図書室。


これも一つの日課になり始めていた。



オレンジ色の夕焼け色に、世界が染まる。



そうすると、あたしはようやく図書室を後にするのだ。



ガラッ…。


その日だってそう。



いつものように、本を読んで帰るだけだった。





ドンッ!!



「きゃっ」

「うおっ」



扉を開けた瞬間、あたしの目の前が真っ暗になった。




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