透明な願い
「大丈夫か?」
真っ暗の中、耳に届く声にあたしは顔を上げた。
「!!!」
ビックリした。
少しとは言えないほど、明るい茶色い髪。
自分流に着崩した、制服。
そして、真っ直ぐあたしを見る
綺麗な瞳ー…。
これが世に言う“不良”。
本ばかりに時間を費やし、あまり深く人と関わろとしなかったあたしには“不良”とこうやって話すのは初めてだった。
ど…どうしよう。
こんなに近いと、意外に迫力が…。
こ……怖いよ。