幼なじみ君と幼なじみちゃん♪

――――慄梛―――――





アルバムをめくると赤ちゃんの頃の写真が何枚も何枚も写し出されていた
手を繋いでる写真、お昼寝を一緒にしてる写真
どれもこれも横にはいつも磨梛抖が写っている写真ばかりで、そして、つい手が止まった写真には



「あっ、この写真…」

「慄梛…」



背中に温かなぬくもりを感じ“ギュッ”と
抱きしめられて磨梛抖がつけてる香水の香りがして



「………磨梛抖…?」

「ごめん…
もう少しだけこのままにさせて…
ごめん…頼む…」



弱り切った磨梛抖の声が耳に入り込む…
自然と前に回された磨梛抖の腕に自分の手を重ねてそっと目を閉じた



―磨梛抖?

わたし、馬鹿だから期待しちゃうよ?
もう“少し”だけ早かったら告白できたのに…
磨梛抖…遅いよ…遅いよ…

違う、わたしが逃げてた代償かも…――






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