焦らし愛 〜幼なじみLove Story〜
アタシは夏樹をそんな風に見た事も思った事も1度だって無かった。
良く思われてるとは思ってなかったけれど、せめて幼なじみか友達ぐらいの位置には居るんじゃないかと思っていた。
…でも、夏樹にとって私は、勝手に告って来て泣いて悪口を言う女子達と同じなんだと分かると、
心に幾つもトゲが刺さったかのように痛くて痛くて仕方がなかった。
少しして心の痛さが実感を伴って来ると、涙が込み上げて来た。でもここで泣いたら、あの女子達と同じだ。
勝手にお節介焼いて、泣いていたら、まるで夏樹が悪者みたいになってしまう。
アタシは青ざめている顔を夏樹に見せないようにブランコを降りると、「ごめんね。」と小さく呟いて公園を後にした。