焦らし愛 〜幼なじみLove Story〜
軽々と抱き上げられて、夏樹の逞しい身体を身近に感じると、背の高い私でも、あぁ自分は女なんだと自覚させられる。
こうして誰かに抱き上げられたり、守られたりする日が来るなんて思ってもみなかった。
私が弱い女であると思わせてくれるのが、他でもないあの夏樹なのだと思うと、心の奥がじんわりと温かく、そして切なくなって来る。
あぁ…どうして、もっと早くこうして側に居られなかったんだろう。
夏樹と付き合うようになってからは、夏樹の居ない日々を想像する事すら出来なくなっていた。
ずっとずっと…
夏樹の一番側に居たかった。
夏樹と手を繋ぎたかった。
夏樹とキスしたかった。
夏樹に抱きしめられたかった。
そして、私の知らない夏樹を知りたかった。