焦らし愛 〜幼なじみLove Story〜
アタシは真ん中辺りに乗ろうとしたのに、途中でグッと夏樹に腕を引っ張られて、1番前に乗せられてしまった…。
隣を見ると、全く絶叫なんてしなさそうな、無愛想な夏樹が不適な笑みを湛えていた。
『まさか、オマエ怖いのか?』
カッチーン!
「まさか!アンタよりは怖くないわ!」
はっ…!
ついつい昔を回想してたせいで余計な事を口走ってしまった…。
『あ゛!?』
そして隣の不機嫌男の『あ゛!?』を合図に、絶叫コースターは全てを振り払うようにスタートした。