焦らし愛 〜幼なじみLove Story〜
相変わらず無愛想にタバコを吸い始めた夏樹を見て、またため息が出た。
そんなにつまんないなら何で来たんだよ。
っつーか未成年なんだからタバコなんて吸ってんじゃね〜!
いたたまれなくなった私は、美野里にぶっ飛ばされる事を覚悟した。
「このチケットあげるからさ、夏樹彼女でも呼んで一緒に行きなよ。」
今日1日、夏樹と一緒に無言で過ごすなんて恐ろし過ぎる。つーか私が疲れる。気疲れ死にする!
『今は彼女いねぇ。』
…今はってトコが何気にムカつくんですけど。
『お前こそ彼氏でも呼べよ、チケットやるから。』
ホレ、とチケットを差し出して来る。
「彼氏居ないから。」
今はって言えない自分にムカつくけど、彼氏なんて生まれてこの方居たことないアタシには、そんな小さな見栄も張れない。