晴い天-アオいソラ-
「うおっ」



最悪のタイミングで現われた真琴に耕平が動揺を見せる。



「…何をやってるんだ雄介は」



さすがに雄介が不憫だと思った耕平が真琴の肩に手を回し、回れ右をする。



「椿、後夜祭の事でちょっと」


「…あ、あぁ」



わざとらしく生徒会室へと誘導する耕平と、心なしかいつもの元気がない様に見える真琴の後ろ姿を、雄介は女子生徒の輪の中から眺めていた。



「悪ぃ!」



女子だからと今まで気を使っていた雄介だが、真琴の後を追いたくて本気の抵抗にかかる。



「あー!進堂くぅ~ん」



女の子達の甘ったるい声も雄介の耳に入らない。

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