晴い天-アオいソラ-
「来てみろ、始まったぞ」


生徒会室で最後の仕事を終えた耕平はギリギリ運動場の炎が見える窓にもたれ掛かり、奈々花を呼ぶ。


「会長…手…つないでもいいですか?」


「何オマエ、ジンクス信じてんの?」


「いけませんか?!///」


「柄じゃないだろ」



耕平はいぢわるく笑ったかと思うと真剣な顔で奈々花を見つめる。



「……不安なのか?」


「……会長フラっとどこかへ行ってしまいそうで…」


「行かねぇよ。ホラ、いい加減こっち来い」



そう言うと耕平は奈々花の手を取り自分の方へ引き寄せた。

そして二人はそのまま、その燃え盛る炎を最後まで見つめた。


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