晴い天-アオいソラ-
「会長」



帰ろうと駐輪場まで来たところで、耕平は奈々花に呼び止められた。



「今日みたいな問題が起きた時、わざと自分に矛先を向けさせて解決するのはやめて下さい」


「何の事?」


「とぼけてもダメです。会長の考えなんてお見通しです」


「考えなんてねーよ。久々に血が騒いだだけ」



真面目に聞くつもりがない耕平は、出してきた原チャにまたがった。



「嘘です。負けた方にわだかまりが残らない様、自分が悪役になったんでしょ?」


「いいなソレ。何かカッコイイじゃんオレ。じゃあそうゆう事にしとこうかな」


「ごまかさないで下さい!もし会長が何かされたらどうするんですか?!無茶な事はやめて・・・」



普段あまり感情を出す方ではない奈々花の、今にも泣き出しそうな顔に耕平は原チャをとめなおした。



「……悪かった。もうしねぇ」



そう言うと耕平は奈々花の頭をポンポンと優しく叩いた。


「会長…私」


「奈々花、また明日なっ」



奈々花の小さな声に耕平の大きな声が被った。

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