晴い天-アオいソラ-
バスケの試合も終盤に差し掛かった頃、ネットごしのバレーコートで行われていた試合が中断され、ギャラリーが静まり返った。



「梨央ちゃん!」



愛咲が大きな声を上げ、コート内で座り込む梨央へ駆け寄った。



「いっ…たぁ」



梨央は足首を押さえ、顔を歪めながら、声になるかならないかの小さな声を出した。



その様子が目に入った雄介は試合中にも関わらず、バレーコートへ駆け出した。

バスケとバレー、両方の試合のギャラリーがざわめく。



そんな事もお構いなしで、雄介はうずくまる梨央を躊躇なく抱き上げた。

その様子を見てギャラリーがより一層ざわつく。



「ちょっ、何するの?!降ろして!」



雄介の突然の行動に梨央はびっくりして足をジタバタさせた。



「っつ…」


「怪我してんのに暴れるからだ。このまま保健室に運ぶ。じっとしてろ」



雄介に降ろす気がない事が分かると、梨央は顔をうずめて大人しくなった。

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