晴い天-アオいソラ-
雄介の迫力に、梨央が今まで胸につかえていた言葉を吐き出す。



「何よッ…今さら兄貴ヅラしないでよっ」


「今さらじゃねぇ、俺はずっとオマエの兄貴だ」


「…なによ、お父さんとお兄ちゃんはお母さんと梨央を捨てたじゃないっ!!お父さんはお兄ちゃんしか必要なかったのよだから…」



梨央の目はみるみるうちに涙でいっぱいになった。



「俺は捨てた覚えはねぇ!ただ…中坊の俺にはどうしようもなかった」



雄介は悔しそうに拳を握りしめる。



「ウソ!!じゃあどうして会いに来てくれなかったの?!連絡すらくれなかったじやない!結局お兄ちゃんもお父さんと一緒よ」


「……?」



自分の記憶とは違う事を言われ雄介が困惑する。



「電話が鳴る度に期待してポストも毎朝のぞいた!!だけどお兄ちゃんは一度も…」


「待てよ!毎月手紙送ってたろ?それを拒否したのはオマエの方じゃねーか」



梨央が言い終わる前に雄介が否定する。


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