晴い天－アオいソラ－
「恨んでなんかないっ！…ホントはずっとお兄ちゃんに会いたかった。昔みたいに…甘えたかった」



梨央の目から涙がとめどなく溢れた。



「梨央…」


「お兄ちゃんにはもう梨央なんか必要な…いんだっ…て…思っ…て」



声をつまらせ、むせび泣く梨央を雄介は優しく抱きしめた。



｢もういい。わかったから。もう泣くな。必要ないわけないだろ？オマエはずっと俺の大事な家族なんだ｣



梨央は雄介に抱きついたまましばらく泣いた。



いろいろな思いが涙と一緒になって溢れだし、泣きじゃくっていた梨央は少しづつ落ち着きを取り戻した。



今度はばつが悪くて顔を上げられないでいると、先に雄介が口を開いた。



「母さんを責めるなよ。ガギだったお前のためによかれと思ってやった事だろうから」


「…言われなくてもわかってるもん。もう子供じゃないもん」



そう言ってようやく梨央は雄介から離れた。

今まで心の奥にしまってあった素直な気持ちを雄介にぶつけた梨央は何だか急に恥ずかしくなった。





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