晴い天-アオいソラ-
―ガラッ―



最高のタイミングで保健室の扉が開き、保健医と愛咲が入ってきた。



「お待たせ」



何ていいタイミングで入ってきてくれたんだろう…と梨央は心の中で2人に感謝した。



「あらあら可哀相に。相当痛むのね」



泣き腫らした梨央の顔をみて勘違いした先生が優しく言う。



「じゃあ俺はこれで。後宜しくお願いします」



そう言うと雄介は保健室を出た。




部屋を出たところで壁にもたれて座り込む耕平が視界に入った。



「…盗み聞きか悪趣味なヤローだな」


「興味ねーよ。テメーら兄妹の事なんか」


「…バッチリ聞いてるじゃねーか」



耕平はフッと笑い、手に持っていた缶珈琲を雄介に手渡すと去って行った。



「…こんな苦いもん飲めるかよ」



どちらかというと甘党の雄介は、ブラック無糖と書かれた黒い缶を一気に飲み干した。


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