晴い天-アオいソラ-
「何すか?それ」


「ん?梅酒」



早めに学校を出た耕平は家にわざわざそれを取りに帰っていた。



「わざわざすみません、会長。ウチの父、会長のおばあ様の漬けた梅酒の大ファンなんです」



耕平にお礼を言い、奈々花がみんなに説明する。

耕平は、奈々花の家族と面識があり、意外な事に気に入られているらしい。



「でもオマエん家だいぶ遠いやろ?」



中学の時よく家に遊びに行っていた圭吾が家に戻ったにしては早い耕平に尋ねる。



「オレ今、ばーちゃんとこで暮らしてんだよ」


「…そうか」



何かを察した圭吾は理由を聞かず、話を終わらせた。


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