晴い天-アオいソラ-
「宇佐見くん」



部屋に戻ると心配そうな顔をした奈々花に声をかけられた。



耕平の怒鳴り声が聞こえていたようだ。



他のメンバーも心配そうな顔を圭吾に向ける。



「大丈夫?…会長のあんな声初めて聞いたから…」


「あぁ、大丈夫や。すぐ来るゆーてたから」


「そう、それならいいんだけど…」



圭吾からいつもと違う雰囲気を感じ取った奈々花は、あまり深く追求できなかった。

それは他のメンバーも同じだった。



緊張感の漂う中ドアを開ける音がし、今度は扉に注目が集まった。



目に映ったのはいつも通りの気怠そうに頭を掻く耕平の姿だった。



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