ずっと前から好きだった


「やばいよ、こいつ。
 酔っ払いすぎー」



そう言っている
魅麗さんもひどく
酔っ払っていた。



未成年の私とかっちゃんは

お互い見合って笑った。






「気をつけてねー」



酔っ払いの二人は
タクシーに乗って
帰ってしまった。



残されたのは

私と彼だった




「華奈子、家どっち?
 送るよ。」


駅のホームで
マフラーに顔を半分ほど
うずくめたかっちゃんが
そう言ってきた。



「え、だってかっちゃん
 家こっちでしょ?
 反対だからいいよ。」


「いや、送る。
 つか…送りたい」



送りたいって…


心臓がドクンと波打ち
隣にいるかっちゃんを見た。


マフラーで表情は見えなくて

だけど横目でチラリと
私の方を見て目をそらした。




「じゃあ…
 送ってもらっちゃおうかな」


「おう、任せろ」




二人は電車に揺られながら
私の降りる駅に着いた。



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