ずっと前から好きだった


「まあ、やるしかねぇな」


光るピアスを触りながら
迅さんは外をみていた。
冷静な口調は
私達をも落ち着かせてくれた



「自分達の気持ちを
 素直に書けばいいし
 自分達の気持ちを
 素直に音にすればいい」


社長は私達を置いて
部屋を出て行った。




「つかさ
 バンド名決めようぜ」


かっちゃんは
手元に置いてあった
コーヒーを口に含んだ



2つ年上にしては
大人っぽすぎる。



「あたし達の出会い
 振り返ってみよ!
 そしたらあたし達らしい
 バンド名浮かぶかも」



うーん、と手を頬について
考えだした魅麗さん。

つられて考え出した私達。



「出会ってそろそろ
 半年になるんだね」

「うっわ…早くね?」

「なんか、デビューとか
 焦る事なく来たから
 あたし達って
 この短時間で
 仲良くなれたのかな」

「それってあるかも」


魅麗さんとかっちゃんの
素朴だけどなんだか
心の温まる会話は、

胸にじんと来た。


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