ずっと前から好きだった
「かなちゃん聞いてよ!!
曲が完成したって!!」
魅麗さんが興奮しながら
私に歩み寄ってきた。
夏休み最終日の私は
今日も事務所にいた。
かっちゃんとは
相変わらず仲良く話す。
本当に何もなかったみたいに
「ほんとに!?聴きたーい!」
夏休み中私達が一生懸命
案をだして作ってきた
デビュー曲が完成した。
曲の仕上げは
迅さんに任せていたため
私達はまだ
完成曲を聴いていなかった。
「早く聴きに行こうぜ」
キラキラした目で
かっちゃんは
迅さんの所へ走り出した。
迅さんはピアノの前に座って
弾き語りを始めた。
「迅さんって
ギターだけじゃなくて
なんでもできるんだ…」
私は感心していた。
歌う事しかできない自分は
なんだか未熟だなって。