ずっと前から好きだった
「迅は絶対音感を持ってるからね。
だから作曲は
迅ならできると思って
仕上げを任せたの」
魅麗さんは私の隣でそう言った。
魅麗さんは迅さんの事を
誰よりも知っていた。
そんな二人は
幼なじみだとか。
本当に仲が良い。
「凄くいい曲だよ、迅」
「おぅ、ありがとう」
長年付き合っている
カップルのように
見てるこっちが和むような
二人の空間
「練習しよ」
スティックをバッグから取り出し
室内にあったドラムへと向かう
かっちゃんにつられて
ギター、ベースと
それぞれ音が響いてきた。
「あ、華奈子」
迅さんがギターを弾く手を止めた。
「ん?」
「ギター、やってみない?」
「ギター!?」