ずっと前から好きだった




こんなに優しい人


いるのかな


ってぐらいに


かっちゃんは私を
みていてくれる。



涙が出そうで




私は席を立って
お店の外に出た。





『つか、今どこ?』


「体育祭の打ち上げで
 焼肉屋来てんの」


『電話…まずかった?』



「………ううん、
 嬉しかったよ」




涼しい風が
時々吹いて来る



知らず知らず
泣いていた






ごめんね、かっちゃん



かっちゃんと電話をしていても

浮かぶのはいつだって


飯島の事だけだった。






諦め方も
何もわからないから


飯島に好きな人がいても
ずっと私は彼しか
追いかけられない






『辛かったら
 なんでも言えよ。
 一人で…泣くな』



「う…………」



うんって返事しようと思ったのに
声が出せないほど
涙が溢れ出てきて
止まらなくて






私を思ってくれて
私のスーパーマンのような
素敵な人だけど


それでもかっちゃんの
気持ちには



答えられそうにないよ


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