ずっと前から好きだった


「なん…で……」


私は呟いていた。

あまりに驚きすぎて

どこか懐かしさがあって



「…また泣いてんの…?」




あなたの優しい声を
どれだけ待っていたか。




「飯島……………」


「泣き虫だよな、岩崎」


「…………………」




あなたから目が離せなくて
涙が余計に溢れてくる。





いつも

救ってくれるのは


飯島だったよね




いつだって


側にいてくれたよね





「なぁ、岩崎」



「………ん?」



「なんか、こうやって話すの
 久しぶりだよな」



「そうだね」







しゃがむ私と

少し距離をあけて
両手をポッケに入れて
立っている君



お店の看板を照らす
ライトだけが
辺りを明るくしていた。



< 146 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop