ずっと前から好きだった



「…ねぇ…なんで…?
 渡すためだけに
 来てくれたの…?」


「………まあ…
 そうなるかな……
 でも、なんか
 今行かなきゃって
 そう思ったから…」



「……そっか」





私は飯島に笑顔を見せた。





無理に笑ったわけじゃない





嬉しさが溢れたから
思わず笑みがこぼれただけ。





「ありがとう。」






「おう………」







バスが来て
私は飯島に背を向けた。




だけど



乗る前に




伝えたい事が頭をよぎって





伝えたいって思って








知ってるよ



飯島にはあきちゃんがいる事





だけどね





素直になれば
傷つくだけの恋でも







私は飯島を好きになったから。






「飯島…」





私はもう一度
飯島の方へ振り向いて



伝えた





「今でもずっと
 好きだから…飯島の事」




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