ずっと前から好きだった


それは夏を目前とした
蒸し暑い日だった。




「アイスミルクティーください」

「じゃあ、俺も」


「かしこまりました」




いつも4人で来ていた
事務所近くのカフェ


今日は2人で来ていた。

慣れない雰囲気に
なんだか少し緊張していた。





「華奈子、どこ行きたい?」


「うーん…誰もいない場所」


「そんなに俺と
 2人きりになりたいかぁ」


「違うよ、ばか」


「ははは」




青空のした
甘ったるいミルクティーが
口の中に残っていた。


私の歩く速さに合わせて
かっちゃんが隣を歩いていた。





「じゃあ、俺の
 とっておきの場所に
 連れてってあげる」



そう言ってカフェを出た。





電車に乗って
あまり行ったことのない方まで
進んで行った。



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