ずっと前から好きだった
「好きな奴は……?」
「だってもう逢えないもん」
「自分の気持ちに
………嘘つくなよ」
「忘れようとするために
かっちゃんを利用してる訳じゃ
ないって事だけは分かって」
「うん」
「まだ心のどこかにその人が
いるってことは確かだけど
………今の状況は
かっちゃんが少しずつ
あたしを癒してくれてるの。
だから中途半端な気持ちじゃ
答えを出せないだけ。」
「そっか……じゃあ
もう一押しか」
かっちゃんは立ち上がって
背伸びをした。
夕日がだんだん沈んで
本格的に暗くなりはじめた
その空に広がっていたのは
満天の星空だった。
いつだったかな
あなたと星空を見上げて
一緒に歩いたのは。
鮮明に覚えている
あなたは私を
笑顔にしてくれたから。