ずっと前から好きだった
「あたしの部屋より綺麗」
「どんだけ汚いんだよ」
「ねぇ、真。
昔の写真とかないの?」
「あー無理無理
絶対見せらんない」
「うわ、探そ」
そう言って私が
探しだそうとしたら
ソファーにもたれ掛かっていた真が
私の腕を掴んで引き寄せてきた。
勢いで私もソファーに座っていた。
握られた大きな手に
無駄にドキドキしていた。
「華奈子、顔真っ赤」
面白おかしく笑う君に
少しいらっと来たけど
なんだかあなたのペースに
のまれている自分がいた。
だけど顔を真っ赤にしているのは
あなたも変わりなくって
つい可笑しくて私も笑ってしまった。
「あはは、真だって
真っ赤だよ?」
「――――――っ!!」
さらに赤くして
私のおでこを軽く
人差し指でつついた。