ずっと前から好きだった


「あら、熱いわねぇ」


ノックもせずに
おぼんを持って入ってきた
美人ママはニコニコしていた。


「華奈子ちゃんから貰った
 チーズケーキ、
 食べきれないから
 華奈子ちゃんもどうぞ。
 とっても美味しかったわ」


「え!!あたしはいいのに…」


「いいのよ~」


「てか、早く出てって」



真の冷たい一言に
動揺も何もせず
美人ママはニコニコしながら


「真がそう言うと思って
 ひなと出掛けてくるから。
 二人で仲良くね」



そう言って部屋を出て行った。


少したって
車のエンジンが聞こえたかと思うと
遠ざかっていくように
音が小さくなっていった。


飯島家のお父さんは仕事

夜勤が多いそうで
帰ってはこない。

そして美人ママとひなちゃんは
出掛けてしまった。


今、飯島家で

私と真は二人きり



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