ずっと前から好きだった
「見せてくれないと思った」
「華奈子のも今度
強制的に見せてもらうから」
「言っとくけど
あたし可愛いから」
「知ってる」
笑いながら
冗談なんか言ってみて
そんな時間が
幸せ
「俺モテたんだよな~」
「えー、この人の方が
かっこいいよ」
「そういう事言うんだ」
「ごめん、真が
いちばんいけめんだね」
棒読みで言い直せば
アルバムを私から取り上げて
見せてくれなかった。
他愛ないやり取り
あっという間に
時間は過ぎていった。
窓の外が暗くなり
私のお腹がぐぅっと鳴った。
「夕飯どうする」
隣に座っている真が
私のお腹の音を聞いて
問いかけてきた。
「華奈子料理できる?」