ずっと前から好きだった
「キッチン使っちゃっていいの?」
「俺ん家めったに
使わないから。
あ、材料ねぇかも」
「じゃあ買いに行こ」
私は今日持ってきていたマスクと
帽子を完全装備して
行く準備をした。
「全然顔わかんねぇな、それ」
「でしょ?」
二人は玄関を出て
並んで歩いた。
背の高い真と並んで歩くと
改めて男らしさを感じる
自分が変態なのかな
と思うことがある。
大好きな人の腕を
触りたいとか
そんな衝動にかられて
私は真の腕に絡まりながら歩いた。
「歩きにくいんだけど」
「いいじゃん
当分また逢えないんだし」
「…そうだな」