ずっと前から好きだった


どのくらいたったのだろう

30分ぐらい…

まだ授業は終わらない


休み時間とは違う
廊下の静かさが
虚しさを増した。





「あ、いた」


その声に無駄に
ドキドキしたのは
心の奥に秘めておいた。



気づきたくなかっただけ



このドキドキに




「飯島…」

「保健室かと思ったら
 こんな所でサボり?」


呆れたような笑顔で
私の隣に座り込んだ


距離が近い


「なんで…来たの?」

「…やだった?」

「……………。別に」

「…授業怠くて保健室
 行こうと思ってたら
 こんな隅っこに
 お前がいたから。」

「ふぅん。」

「興味ないって?」


はははと笑ったその横顔は
すごく綺麗で憎いほど
美しかった。

やっぱり妹をモデルに持つ
兄だと思った。


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